ダイビングに使うレギュレーターの仕組みとは?選び方やお手入れの仕方について解説
レギュレーターとは、ダイビング器材の中でもとても重要な部分です。タンクに入っている圧縮された空気を人間が吸えるレベルまで減圧してくれます。
この記事では、レギュレーターの仕組みや種類、自分に合ったレギュレーターの選び方、お手入れの仕方などについて解説します。
レギュレーターとは?
ダイビングに使う器材の中でも重要な部品が、レギュレーターです。レギュレーターとは圧縮された空気が入ったタンクに取りつけて、ダイバーが呼吸できるレベルの圧力に下げる器材のことです。
レギュレーターがないとタンクに入った空気をダイバーが吸うことができません。快適にダイビングを楽しむためには、水中で安定した呼吸をする必要があります。そのために、レギュレーターはなくてはならない部品のひとつです。
レギュレーターの役割
レギュレーターはダイバーが呼吸できるように空気タンクの中の圧縮空気を減圧して送り出す役割を持っています。
空気はファーストステージ、セカンドステージという2段階の場所を通り、ダイバーが呼吸できるレベルまで減圧されます。その際に、レギュレーターが重要な役割をはたします。
レギュレーターの仕組み
ここでは、レギュレーターで空気を減圧する仕組みについて解説します。
ファーストステージ
レギュレーターはファーストステージとセカンドステージという2つから構成されています。
レギュレーターがタンクとつながっている部分がファーストステージです。ここで人間が吸うことができない圧力の空気を、周りの水圧に合わせて大きく減圧します。
セカンドステージ
セカンドステージは、人が口でくわえている部分です。ここで二次減圧し、圧力の微調整が行われます。
人間にとってちょうどよい圧力は、現在の水圧によって変わります。セカンドステージでは今いる水中の水圧に合わせて圧力が微調整され、最適な圧力の空気が供給されます。
レギュレーターの種類
レギュレーターにはいくつかの種類があります。ここでご紹介するレギュレーターのそれぞれの特徴を参考にしていただき、自分に合ったレギュレーターを選んでみてください。
チタンを使った丈夫で軽量タイプ
少しでも器材を軽くしたい、丈夫なものがよいという場合には、素材にチタンを使ったタイプがおすすめです。海水に強くさびにくいので耐久性が抜群です。また、チタン製なので重量が軽く旅行の荷物を軽くできるでしょう。
ただし、高価な素材を使っているため、値段が高いというデメリットがあります。また、酸素濃度が40%以上のエンリッチド・エアでは使えないのでご注意ください。
口元の負担を減らせるタイプ
レギュレーターを口でくわえ続けるのは負担が大きい場合、負担を減らせるタイプもあります。中圧ホースを使い、セカンドステージ接続部にスイベルが使われているタイプです。口への負担が少なく、水中で周りを見回す際にも顔を動かしやすいでしょう。
ただし、部品が傷みやすいのでこまめなメンテナンスが必要です。必要に応じてオーバーホールを行いましょう。
呼吸がしやすいタイプ
とにかく呼吸がしやすい方がよいという場合には、呼吸抵抗が少ないタイプのレギュレーターがおすすめです。水圧の高い場所でも呼吸がしやすく、水中で疲れたときにもぴったりです。息を吸う力が弱い人にも適しています。
ただし、このタイプはガスが出っぱなしになってしまうフリーフローが起こりやすいので、注意が必要です。
ガスの吸い心地を調整できるタイプ
流量調節機能がついているタイプなら、自分でガスの吸い心地を調整できます。そのときの体調や運動量などによってガスの流量を調節できるので、疲れたときなどにも適しています。
ただし、調節部分のこまめなメンテナンスが必要なので、注意しましょう。
レギュレーターを選ぶ際のポイント
レギュレーターを選ぶ際に気をつけたいポイントについてご説明します。
くわえやすいか
マウスピース部分を見てくわえやすいかどうかを必ず確認しましょう。
口の大きさに合っていないマウスピースだと、大きすぎてすぐに外れる、くわえるときに余計な力が必要などの問題が起こります。口のサイズに合ったマウスピースを選んでください。
呼吸しやすいか
呼吸のしやすさも重要です。呼吸抵抗が軽いと呼吸がしやすいですが、それが自分に合っているかどうかは別の問題です。
できれば、ダイビングショップなどで実際にくわえて呼吸をしてみて、自分に合っているかを確認することをおすすめします。
素材の違い
上記でご説明したとおり、チタン製のレギュレーターは軽くて丈夫です。レギュレーターの素材にも気を配り、耐久性の高さや性能のよさ、軽さなども確認しましょう。
ただし、高級なチタン製は価格も高額なので、注意が必要です。
シリンダーのバルブ方式
レギュレーターのシリンダーのバルブの方式には、以下のようなものがあります。
- ヨークタイプ:シリンダーのバルブの接続部分がOリングのものにつけるKバブルのタイプ
- DINタイプ:タンクのバルブにねじ込んでつけるタイプ
日本で使われているのはほとんどがKバルブなので、ヨークタイプを選ぶことになるでしょう。海外ではDINタイプが主流です。海外でレンタルする際などには、注意しましょう。
レギュレーターの価格相場とは?
レギュレーターの価格相場は、ものによって幅が広く一概にいくらとはいえません。
初心者なら、7~10万円ほどのものでよいでしょう。長くダイビングを楽しみたいなら、20万円ほどの製品を購入することをおすすめします。ものによっては30万円を超える製品もあり、どれくらいのレベルの性能を求めるかによって価格相場は大きく異なります。
レギュレーターを初めて買う場合には、ダイビングショップで試しに使ってみたり、レンタルで実際に使い心地を試したりしてから選ぶとよいでしょう。高価な買い物なので、慎重に検討することをおすすめします。
レギュレーターのお手入れの仕方
レギュレーターは口にくわえてつねに空気を吸う器材なので、汚れがたまったり傷みが発生したりします。そのため、普段のお手入れがとても重要です。
ここでは、レギュレーターのお手入れの仕方をご紹介します。使い終わったら、毎回お手入れをしてください。
真水で洗う
海水が付着したままだとサビやカビ、つまりなどが発生するため、真水で洗います。レギュレーターのダストキャップがしっかりとしまっていることを確認してから、ファーストステージ以外を真水に浸して5~10分ほどおきましょう。
可動部の汚れを落とす
真水に浸した状態で、セカンドステージの可動部を動かして汚れを落とします。砂や塩、汚れなどをブラシで丁寧に洗い落としましょう。
ダストキャップを開けると中に水が入り、カビが発生する原因になるのでご注意ください。
全体を洗い流す
マウスピース、オクトパスの口にホースを入れて中を30秒ほど洗い流します。カビやぬめりのもとになる唾液をしっかりと洗い流しましょう。
そして、ファーストステージ、ホースなども洗い流していきます。最後に水を切って乾かしてからしまいましょう。
まとめ
この記事では、レギュレーターの仕組みや種類、自分に合ったレギュレーターの選び方、お手入れの仕方などについて解説しました。
レギュレーターはダイビングを楽しむためにとても重要な器材です。仕組みを正しく知ってお手入れまでできるようにしておくことをおすすめします。
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