ダイビングの基礎知識
2024年08月06日

素潜り(スキンダイビング)とは?魅力や初心者向けのコツを解説

スキンダイビング
マリンリゾートなどへ遊びに行く際、「素潜り体験」「スキンダイビングツアー」などの言葉を目にするかもしれません。しかし、「具体的にどのようなことをするのか」「どのような知識が必要なのか」など、わからないことも多いでしょう。

そこで今回は、素潜り(スキンダイビング)とはどのようなマリンスポーツなのか、シュノーケリングとは違うのか、など基本的な素潜りの知識を解説します。素潜りのコツとあわせて解説するので、海で遊ぶ際は参考にしてみてください。

予備知識を持っておけば、素潜りでの事故・ケガのリスクを抑えられるだけでなく、海の中をより自由に楽しめるでしょう。

 

素潜り(スキンダイビング)とは?

素潜りとは、水中呼吸できる機材を使わずに潜水する方法です。素潜りと似たスキンダイビング・シュノーケリングとの違いを見ていきましょう。

 

<素潜りとの違い>

  • 素潜り:水中ゴーグルを着用して海を潜水する
  • スキンダイビング:マスクやシュノーケル、フィンなど各種機材を装着して潜水する
  • シュノーケリング:シュノーケルを装着して水面を泳ぐ

 

素潜りとスキンダイビングはどちらも潜水するため、明確な定義の区分がありません。原始的な手段を素潜り、各種装備を装着するのがスキンダイビングといったイメージでしょう。

一方、シュノーケリングは水面を泳ぐため、素潜り・スキンダイビングとは異なるマリンスポーツです。

 

素潜りの魅力は誰でも挑戦できること

素潜りの魅力は、スキューバダイビングのようなライセンス不要で、誰でも自由に楽しめることです。もちろん、テクニックやコツは必要ですが、スキューバダイビングほどコストをかけず、水中の生き物の観察や写真撮影などを楽しめます。

素潜りのコツは「初心者向け!素潜り(スキンダイビング)のコツ」で解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

素潜りで潜れるのは2~10mが目安

競技者でもない限り、素潜りで潜れる深さは2~10mが目安です。潜水を競技として行うフリーダイビングの場合、水深100m以上潜るケースもあります。

しかし、一般的なレジャー・マリンスポーツとしての素潜りであれば、水深10m程度までが楽しめる深さでしょう。海中では、深く潜るほどに水圧が強くなり、競技者でなければ身体への負荷に耐えられません。耳抜き・ジャックナイフなどのテクニックは必要ですが、2~10mであれば水中の生き物を観察できます。

 

初心者向け!素潜り(スキンダイビング)のコツ

初心者の方が素潜りを楽しめるよう、潜水時のコツを解説します。安全に素潜りを始めるためにも、最低限の知識を備えておきましょう。

 

耳抜きは順序立てて行う

素潜りでは、以下の手順でこまめに耳抜きを行いましょう。

 

<素潜りでの耳抜き手順>

  1. 海面付近で一度耳抜きをしておく
  2. 潜水時の早い段階で耳抜きを行う
  3. 潜水中はツバを飲む、顎を動かすなど、耳抜きしやすい状態を作る

 

耳抜きとは、水圧により押し込まれる鼓膜を、耳管から空気を送ってもとに戻す行為です。素潜りでは頭が下に向くため、血液によって耳管が細くなる恐れがあります。空気を送りにくくなるので、素潜りでは耳抜きが難しいと感じるかもしれません。

そのため、まずは海面付近で耳抜きを行い、耳管を広げておきましょう。潜水する際はこまめに耳抜きを行って、水圧の影響を受けにくくすることも大切です。どうしても耳抜きできない場合は、海中で一度止まって、頭を上にしてから耳抜きを行いましょう。

 

ジャックナイフを覚える

ジャックナイフとは、水面で身体を直角に折り曲げ、頭からスムーズに潜水する方法です。ジャックナイフの手順を見ていきましょう。

 

<ジャックナイフの手順>

  1. 水平に身体を浮かせ、視線を海中に向ける
  2. 潜水時は視線を維持したまま、腰を曲げて身体を直角にする
  3. 逆立ちのイメージで、足を海面にまっすぐ向ける
  4. そのまま海中に沈む
  5. 足が海中に沈んだところで、バタ足を行う
  6. こまめに耳抜きをしつつ潜水する

 

ジャックナイフのコツは、頭を海中に押し込むことです。頭を下に向け、身体が垂直になるよう調整すると、自然と海中に沈み始めます。視線を落とした状態で、足が海中に入るまで沈み込みましょう。

 

水の抵抗を受けにくい姿勢を維持

海中では、水の抵抗を受けにくい姿勢を維持し、体力を消耗しないよう気を付けてください。

 

<水平維持のポイント>

  • 身体を猫背にしない(胸を張って泳ぐ)
  • 進行方向に顔を向ける
  • フィンを激しく動かさない

 

進行方向に対し、身体を水平に保つよう意識すると、水の抵抗を受けにくくなります。フィンは腰からつま先にかけてゆっくり動かすことで、体力の消耗を防げるでしょう。

 

自分に合うウェイトを選ぶ

自分の身体に合うウェイトを選ぶことで、素潜り(スキンダイビング)の安全性が向上します。ウェットスーツを着用して素潜りを行う場合、通常よりも浮力が大きくなるため、潜水しにくい場合はウェイトの装着が必要です。

しかし、重すぎるウェイトでは海面への上昇が難しくなるため、以下を目安にウェイトを選びましょう。

 

<ウェイトを選ぶ目安>

  • ウェットスーツの厚みが5mm:2~3㎏
  • ウェットスーツの厚みが3mm:1~2㎏

 

もちろん、体型によっても浮力の強さは異なります。手足を動かさず、直立の状態でシュノーケルによる呼吸ができれば、適正なウェイトと判断できます。

 

水中で慌てない

素潜りでは、体内の酸素消費量を増やさないよう、水中で慌てて動作しないことが大切です。海中での活動時間を長くするには、体内の酸素消費量を減らす必要があります。

身体(筋肉)を動かすほど酸素は消費されるため、海中では力を抜いて、落ち着いた動作を心がけましょう。

 

浮上の際は視線を上に向ける

浮上の際は視線を上に向け、障害物がないことを確認しましょう。素潜りやダイビングなどのマリンスポーツでは、浮上の際に事故が起きるケースもあります。

「船との衝突」「スクリューに巻き込まれる」などの事故につながりかねないため、浮上の際は海面へ視線を移し、障害物の有無を必ず確認してください。

 

素潜り(スキンダイビング)に使う機材の種類と選ぶポイント

素潜り(スキンダイビング)で使う機材の種類について、選ぶポイントとあわせて解説します。

 

<素潜りの機材と選ぶポイント>

  • マスク:耳抜きがしやすいよう、顔にフィットしたもの
  • シュノーケル:水が口に戻らない、もしくはシュノーケルクリア(排水しやすい)のもの
  • フィン:フィンと足に隙間が生まれないもの(サイズ調整できるなど)
  • ブーツ:使用場所に合わせる(岩場であれば、厚手のブーツ)
  • ウェットスーツ:少しきついサイズを選ぶと、スーツ内の保温性が高まる
  • ウェイト:直立で水面に浮かぶくらいの重さ
  • ダイブコンピューター:ディスプレイが見やすく、深度や水温などの情報がまとめて表示されるもの

 

自分で機材を用意する場合は、身体に合うかどうか必ず試着しましょう。

中でも、マスク・ウェットスーツは、人によってフィット感に差があります。マスクのフィット具合で耳抜きの難易度も変わるため、鼻をつまみやすいかどうかも確認してください。

 

まとめ

素潜り(スキンダイビング)は、ライセンスが不要なだけでなく、必要最低限の機材でもできるマリンスポーツです。マスクやシュノーケル、フィンなどの機材を用意できれば、より自由に深く潜水できるでしょう。

ただし、潜水にはジャックナイフや耳抜きといったテクニックも欠かせません。少しでも安全に、より海を楽しみたい方は、「アクア・ブーチェ」のスキンダイビングスクールをご検討ください。

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