ダイビングの基礎知識
2024年07月24日

ナイトダイビングの魅力とは?必要な機材や注意点について解説

ナイトダイブ・キビナゴの群れ
美しい海の世界を探検できるダイビングは、夜に潜ると昼とはまったく違った光景を見ることができます。しかし、ナイトダイビングは昼のダイビングと比べると馴染みが浅く、「危険なのでは…?」と考える方も多いのではないでしょうか。

今回は、ナイトダイビングの魅力や必要な機材、注意点について解説していきます。海のさらなる魅力を発見したい方は、ぜひ参考にしてください。

 

ナイトダイビングの魅力

夜の海を探検するナイトダイビングには、昼と違ったさまざまな魅力があります。ナイトダイビングでしか感じられない魅力は、以下の5つが挙げられます。

 

  • 夜行性の生き物を観察できる
  • 生き物の姿をじっくり観察できる
  • 幻想的な空間をダイビングできる
  • サンゴの産卵を見ることができる
  • スリルを味わうことができる

 

夜行性の生き物を観察できる

ナイトダイビングの最大の魅力のひとつが、夜行性の生き物を観察できることです。海洋生物の中には、夜になると活発になる夜行性の生き物も少なくありません。

夜行性の生き物は昼間隠れたり寝ていたりするため、昼のダイビングでは姿を現さないことも多いです。しかし、ナイトダイビングでは普段は出会わないような多種多様な生き物を観察できます。

たとえば、エビやカニなどの甲殻類は多くが夜行性です。ネムリブカやウミウシなども夜の海の方が活発に活動しているため、昼までは見られない姿に出会えるのがナイトダイビングの魅力です。

 

生き物の姿をじっくり観察できる

夜行性ではない生き物は、夜の間は眠っています。そのため、昼間は素早く動き回っていてじっくり観察が難しい生き物でも、ナイトダイビングではじっくりと観察できるのが魅力のひとつです。

生き物の中には寝ている姿が面白いものもいるため、昼間では見られない無防備な姿を観察することができます。たとえば、沖縄で定番のカラフルな色の魚のブダイは、口やエラから出した粘液の膜に包まれて眠っています。ハリセンボンはフラフラしながら寝ていたりキュウセンと呼ばれる魚は砂に潜って寝ていたり、寝方は魚によってさまざまです。

さらに、オジサンと呼ばれる魚は夜になると赤くなる特徴があるなど、夜だけの姿を見せる生き物もいます。

 

幻想的な空間をダイビングできる

ナイトダイビングでは、まるで宇宙空間のような幻想的な空間を漂うことができます。海には夜光虫やウミホタル、ウミサボテンやヒイラギなどの発光生物が多く暮らしており、暗い海の中ではキラキラと青や緑の光を放っています。

生き物の中にも蛍光発光するものが暮らしており、ライトやフラッシュを当てると幻想的な姿を見ることが可能です。ダイビング中の美しい写真を撮るのが好きな方は、幻想的で神秘的な写真を残すことができるのもナイトダイビングの魅力です。

 

サンゴの産卵を見ることができる

海の中で暮らす鮮やかなサンゴは、夜になると活発に活動を始める特徴があります。そのため、ナイトダイビングではサンゴがプランクトンを食べるところや産卵しているところを見ることが可能です。

サンゴの産卵は、ナイトダイビングの中でもとくに人気が高いです。サンゴは、大潮の夜に一斉に産卵を始めます。ピンク色の小さな卵が一斉にサンゴから浮かび上がる姿は、ダイバーなら一度は見てみたい神秘的な光景だといえます。サンゴの産卵は、5〜6月の満月の前後に観察できる可能性が高いです。

 

スリルを味わうことができる

たくさんの美しい光景を見られるナイトダイビングは、真っ暗の海をライトひとつだけで進むためスリルも味わうことができます。「いつものダイビングには飽きてしまった…」「刺激的な遊びがしたい!」と感じている方には、とくにおすすめのダイビングです。

 

ナイトダイビングに必要なもの

ナイトダイビングの魅力を知った方の多くが、「一度ナイトダイビングを体験してみたい!」と感じているのではないでしょうか。ここからは、ナイトダイビングに必要な機材と資格ついて紹介します。

 

必要な機材

ナイトダイビングには、通常のダイビングに必要な機材に加えて水中ライトが必須です。夜の海の中は真っ暗なため、水中ライトがなければ進むべき道やハンドサイン、エアーの残量など、なにも見ることができません。

水中ライトを使うことで、暗い海の中でも安心してダイビングすることができます。近年では、LEDを使った水中ライトが主流です。

 

必要な資格

世界的なライセンス団体のNAUIやPADIでは、ナイトダイビングを安心かつ安全に楽しむためのライセンスが用意されています。

一般的なファンダイビングであればナイトダイビングには資格は求められません。ただし、ナイトダイビングは昼のダイビングよりも難易度が高いため、経験値とスキルが必要です。ダイビングスクールやツアーによっては経験値を求められることもあるため、事前に確認しておきましょう。

 

ナイトダイビングの注意点

魅力たっぷりなナイトダイビングですが、昼の海とは異なる点にも意識を向けなければいけません。ナイトダイビングで注意すべきポイントは、以下の5つです。

 

  • ハンドサインはライトを照らす
  • エアーの量をこまめに確認する
  • 同じポイントを昼間も潜る
  • 生き物には触らない
  • ライトの電池に気をつける

 

ハンドサインはライトを照らす

夜の海は1m先も見えない真っ暗な状況のため、ハンドサイン中はもう一方の手をライトで照らしましょう。水中ライトだけでも、以下の動作をすることでサインを送ることができます。

 

ライトを下に向けて円を描く OK
ライトを左右に振る 注意喚起
ライトを上下に振る トラブル発生

 

水中ライトを使う際は、人に向けないように気をつけましょう。いきなりライトを向けられると、驚いてパニックになることもあります。

海の中の生き物には光に向かって突進してくるものもいるため、水平にライトを向けるのも厳禁です。

 

エアーの量をこまめに確認する

ナイトダイビングは、昼間のダイビングよりもエアーの消費量が早くなる傾向が強いです。そのため、普段のダイビングよりも頻繁にエアーの残量を確認しましょう。残圧系の文字盤には蛍光塗料が使われていることが多く、残圧計に数秒ライトを当てるとしばらく文字盤が光ります。

残圧を伝えるときも、ハンドサインと同じく片手を照らして数字のサインを出しましょう。

 

同じポイントを昼間も潜る

初めてナイトダイビングを行う場合は、昼間も潜ったことのあるポイントを選ぶのがおすすめです。経験のあるポイントであれば地形を把握でき、リラックスしてダイビングを楽しむことができます。

同じ場所であれば、昼と夜の海の違いをはっきりと見つけることも可能です。

 

生き物には触らない

トゲを持つウニなどの棘皮動物は、夜に活発に行動する夜行生物です。昼間はゆっくり動いていても、夜には動き回る可能性が高いため、見かけたら距離を取り決して触らないよう気をつけましょう。

 

ライトの電池に気をつける

水中ライトは、ナイトダイビングの命綱といっても過言ではないくらい大切なアイテムです。多くのライトは電池式であるため、電池切れで使えないことを避けるためにも新しい電池に変えておくなどの工夫を行いましょう。

不具合で故障する可能性もあるため、もう一本予備のライトを持っておくと安心です。

 

まとめ

ナイトダイビングは、昼のダイビングでは見ることのできない幻想的な光景を楽しめるダイビングです。生き物を観察したい方や昼のダイビングに飽きを感じている方は、ナイトダイビングを体験してみてはいかがでしょうか。

ただし、昼のダイビングよりも難易度が高いため、今回紹介した注意点をおさえることが大切です。

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