2024年06月22日

【ダイビング技術】なぜナビゲーションが難しく感じるか?(その3)

一般的なナビゲーションスペシャリティーコース(ナビSP、ナビゲーションSP)の講習内容は、コンパスナビゲーションが中心の場合が多いです。私が昔受講した講習もそうでした。

それには色々事情もある事も分かります。多くは「大人の事情」ってやつだと思います。

講習で行うコンパスナビゲーションは海底で三角や四角のコースを辿って元に戻って来るというものです。途中に障害物があると出来ないので広い砂地で行います。

ここで気が付いたと思いますが「広い砂地」だけで通用する(有効な)ナビゲーションの方法なのです。実際のダイブサイトにはそんな場所は探さなければならない程少ないですよね。だから、実用的ではないんです。だから、受講してもナビゲーションは出来る様になりません。なので、ナビゲーションは難しいという事になってしまいます。

仮に「広い砂地」でのナビゲーションを実施するとしても、三角形や四角形を正確に辿るコースを潜っても楽しいですか?面白そうな岩があればそっちを見に行きたいですよね。その岩に行けばきっと色々な魚や生物が隠れていそうだって思っても、最初から三角形を描くナビゲーションしか頭に無ければ、余計な進路変更になってしまい、正確に元の場所に戻る事が出来なくなってしまいます。

じゃあ三角形と決めないで臨機応変に対応したら?って思うでしょう?

その前にビギナー向けにコンパスの基礎知識。コンパスは北は0度、東は90度、南は180度、西は270度と、一周360度の角度で方向を表します。

では、0度方向に100m進み、30度方向に60m進み280度方向に200m進んだ所から、出発点に戻るには何度方向に何メートル進めばよいのでしょう?こんな計算は紙と鉛筆と関数電卓が無いと出来ませんね。だから、一般的なナビゲーションスペシャリティーコースを受講しても、ナビゲーションが難しく思って、とても出来ない。って言う効果しか無いんです。そんなコースを受講したいですか?

実際のダイブサイトには高低差もあり、様々な岩や海藻、コーラル類など様々な目標物が存在します。この様な目標物を有効に利用しなければ実用的なナビゲーションは出来る様にはなりません。前回の記事で書いた「基本的なダイビングスキルを付けてからナビゲーションのトレーニングをしましょう」と言った意味は、これらの目標物を正確に利用するために必要なスキルだからです。

ダイビングで最も重要な情報は水深と時間なのです。減圧症予防には必須の情報です。そして、ナビゲーションにも重要な情報です。
三角形を書こうと思っても、水深と時間の管理面から考えると、とんでも無いダイビングとなってしまう可能性があります。

ダイビングの計画の基本は潜水時間と水深の変化(ダイビングプロフィール)を計画する事です。減圧症リスクを軽減して、エア切れリスクも最小化するためには絶対に必要な計画です。

実際のダイビングでもプロフィールが非常に大切で、その情報はナビゲーションにも有効です。ダイビングはどれか一つを取って、出来る、出来無いと言うものではありません。

プロフィールとともに通るコースを計画して、初めてまともで安全で楽しいダイビングが出来るのです。

まあ、ここに書いた事はあくまでも理屈です。興味ある人はアクア・ブーチェに遊びに来てください。

(その4)
(その2)

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