ダイビングの基礎知識
2024年07月07日

BCD(浮力調整具)とは?BCDの選び方のポイントを解説

ダイビングのBCD

BCDとはダイビングをする際に欠かせない器材で、空気を入れて浮力を調整するためのものです。BCDにはさまざまなタイプがあり、目的や使用感によって選ぶものが異なり価格もさまざまです。しかし、自分にはどのタイプがよいのかわからないという人も多いでしょう。

この記事では、BCDとは何か、BCDのタイプやBCDの選び方の大事なポイント3つについてご説明します。BCDを選ぶ際に参考にしてみてください。

 

BCDとは?

BCDはダイビングを楽しむために欠かせない器材です。Buoyancy Control Deviceの略で、浮力調整具と訳されます。ダイビングをする際には水中で浮力をコントロールしなければならず、そのためにBCDを使います。

BCDは、その本体である空気袋、BCDを体に装着するためのハーネス、タンクから空気を送り込むための吸気弁、空気を排出するための排気弁などがあります。水中でパワーボタン(給気ボタン)と排気ボタンを操作して中性浮力をとります。含まれる空気が多すぎると水面に浮かんでいき、少なすぎると沈んでしまうため、うまく調整することが大事です。

ここでは、BCDの各部位の名称や役割、使い方などについてご説明します。

 

ショルダーストラップ

ストラップを締めたり緩めたりすることで、サイズ調整できます。バックルを外すことでBCDを脱ぐことが可能です。

 

パワーインフレーター

BCDに空気を出し入れする装置です。インフレーターボタン(給気ボタン)、デフレーターボタン(排気ボタン)を押しながら息を吹き込むと、中に空気が入ります。

 

ブラダー

空気が入る袋で、浮力体です。ここに空気を入れたり出したりすることで浮力をコントロールします。

 

カマーバンド

お腹でとめるベルトで、これでしっかりとBCDを体に固定することで安定感を得られます。

 

Dリング

BCDにはいくつかのDリングがついており、水中ライトやオクトパスホルダーなどのツール類を固定できます。

 

クイックダンプバブル(強制排気弁)

クイックダンプバブルを開くと中の空気を一気に排出します。水面から潜降を開始する際や、急浮上してしまったときなどに使用します。

 

クロッチストラップ

股の部分にあるストラップです。BCDを体にしっかりとフィットさせるために使います。

 

BCDのタイプ

BCDにはいくつかのタイプがあります。それぞれのタイプについて特徴をご説明しますので、自分に合ったタイプを探してみてください。

 

ショルダーストラップタイプ

ショルダーストラップでサイズを調節できるタイプです。バックルを外せばすぐにBCDを脱ぐことができ、簡単に着脱できるというメリットがあります。また、BCDに空気を入れても体への圧迫感が少ないのもおすすめポイントです。ショルダーストラップがねじれることもあるため、注意が必要です。

 

ジャケットタイプ

ジャケットのように着脱できるタイプです。上半身全体を包み込むように空気が入り、フィット感が抜群です。水中で自由な姿勢をとりやすいので、ダイビングを楽しみやすいでしょう。また、水面で体を直立させやすいというメリットもあります。

デメリットとしては、サイズ調整ができない、体にフィットしたサイズじゃないと逆に使いづらい、空気を多く入れると圧迫を感じるということがあります。サイズを選ぶ際には、試着して体に合ったものを選ぶ必要があるでしょう。

 

バックフロートタイプ

背面に浮力があるタイプで重心を安定させやすく水平姿勢をとりやすいというメリットがあります。また、水の抵抗が少ないので泳ぎやすいです。体の全面があいているので動きやすい、体を圧迫しないというメリットもあります。

体に固定する部分は肩、腰、股の3点でしっかりと固定され、すべてベルトで調節ができるため体にフィットしやすいのも大きな特徴です。パーツを変更して自分好みにカスタマイズもできます。

デメリットとしては、ポケットがなく、ものを持ち運びにくいということがあります。別売りでポケットを追加することも可能です。スーツをウェットスーツからドライスーツに変える場合などは、体にフィットするようにすべてのベルトを調整しなおさなければならないというデメリットもあります。

 

そのほかのタイプ

ほかにも、BCDにウエイトを分散できるタイプ、女性用にデザインされたタイプ、軽量化された対応などがあります。

BCDにウエイトを分散できるタイプなら、腰への負担を軽くでき水中でバランスをとりやすいでしょう。女性用にデザインされたタイプもあり、小柄な女性でも圧迫感や違和感を防げます。軽量化されたタイプなら持ち運びやすく、飛行機の重量制限なども気にせずに済むでしょう。

 

BCDの選び方

BCDを選ぶ際の大事なポイント3つについて解説します。この3つのポイントをおさえておけば、自分に合った使いやすいBCDを選べるでしょう。

 

浮力体がどこにあるか

浮力体の位置はBCD選びにおいて非常に重要です。浮力体がどこにあるかによって、水中で姿勢を維持しやすいか、態勢を変えやすいかに大きく関わってくるからです。

上記でご説明したBCDのタイプによって、浮力体の位置が変わります。ジャケットタイプの場合は浮力体が体を包み込んでいるため、水中でバランスをとりやすいでしょう。そのかわり、体への圧迫感を感じることがあります。また、水面で頭を上げた姿勢をとりやすいのもメリットです。

バックフロートタイプは背面に浮力体があるので、水面で浮く場合に前傾姿勢にやりやすいです。浮力体が体を包み込むタイプではないので、圧迫感は少ないでしょう。

 

体へのフィット感

BCDを着用する場合、体へのフィット感も重要です。体にしっかりとフィットした形で装着することで、水中や水面で安定した態勢をとりやすいためです。フィット感がないと水中でタンクがぐらぐらと動いてしまい泳ぎづらいでしょう。

体へのフィット感を求める場合には、体にフィットしやすいジャケットタイプがおすすめです。また、肩、腰、股の3点で固定しベルトでサイズを調節できるバックフロートタイプも、自分の体に合わせて調節しやすいでしょう。

また、体にしっかりとフィットさせるためには、自分のサイズに合ったBCDを選ぶことも重要です。サイズの合っていないBCDを選ぶとぐらぐらして使いづらいため、きちんと試着して体にフィットするサイズのものを選びましょう。

 

Dリングの位置

DリングはBCDにツール類を装着する際にとても便利です。Dリングがついている位置はBCDによって異なるため、自分が使いやすい位置にDリングがついているものを選びましょう。

たとえば、水中カメラをよく使うなら、カメラを手にとりやすい位置にDリングがついているかなどを確認してください。ダイビングを楽しむ際にどのようなツール類をどのように使うのかを想像し、欲しい場所にDリングがついているかを考えてみることが大事です。

上手なダイバーは、ツール類を使いやすい場所に収納しています。そうすることで、ダイビングをもっと楽しめるでしょう。さらに、使いやすい場所にDリングがあるかどうかも、BCD選びで重要なポイントです。

 

まとめ

この記事では、BCDとは何か、BCDのタイプやBCDの選び方の大事なポイント3つについてご説明しました。

ダイビングを楽しみたいなら、BCD選びは非常に重要です。自分の体にぴったりとフィットするタイプを選び、Dリングの位置や浮力体の位置なども確認しましょう。これらのポイントはBCD選びで非常に重要です。自分の体のサイズに合ったものや使いやすいタイプのものを選ぶことで、ダイビングを快適に楽しめるでしょう。

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