ブログ
HOME > ブログ > 【ダイビング技術】適正ウェイトとは
  • すべての記事
  • 海日記
  • ポイント紹介
  • ダイビング技術
  • ダイビング動画
  • お知らせ
ダイビング技術

【ダイビング技術】適正ウェイトとは

2015.05.11

ビギナーの方がみんな悩んでいる「適正ウェイト」のお話です。

結論から書くと、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

(1)BCから全部エアを抜いた状態で、肺を膨らませていれば(息を吸っていれば)フィンキックをせずに水面に留まっていられること

(2)上記(1)の状態で、息を吐けば潜行出来ること

(3)タンクの残圧が50気圧で、無理なく水深3mでホバリング可能なこと

となります。

理由は、

ダイビング中は常に中性浮力の状態を維持できなくてはなりません。潜行する場合でも同様です。なぜなら、水深の上げ下げをダイバーの意思でコントロール出来なければ危険だからです。BCに異常があって浮力を確保できなくても海底に墜落するようでは危険です。実際のダイビング事故の多くはこの問題にも関係しています。

そして、肺のトリミング(呼吸による肺の体積のコントロール)により、潜行することが出来れば、耳抜きがうまく出来ないなどの原因で潜行を途中で一時停止したくなっても、ダイバーの意思一つで可能となるのです。

最後の条件は、減圧潜水になった場合に非常に重要な事柄です。減圧以外にも浮上速度の制御や、頭上に障害物があった場合の回避の際にも重要です。もちろん、無限圧限界内でダイビングを行うことが重要ですが、トラブルにより減圧潜水になる場合の考慮も必要です。その場合、理想的な水深での減圧が出来れば減圧時間も最少となり、エアの残圧が心配な場合でもベストの行動が可能となります。それが水深3mでのホバリングです。水深3mが理想ではありますが、より深い水深6mでも出来ないとなるとかなり問題が大きくなります。この件はまた別途。

少し、このテーマから離れますが、特別な理由が無ければヘッドファーストでの潜行はお勧めできません。第一の理由は上で述べたとおり、軽すぎるウェイトで潜ると減圧できないので危険ですし、頭上にある障害物に気が付いても浮上を中断することが出来ないからです。もう一つの理由は、適正ウェイトなのにヘッドファーストで潜りたくなるという事は、呼吸のコントロールが出来ていない証だからです。本質的なスキル不足でもあるかもしれませんし、大きなストレスを抱えている状態でもある可能性もあります。

ビギナーのうちは潜行時に落ち着ていられないので息を吐くことが難しく、その為少し重めのウェイトで潜っている場合が多いです。あとどの位ウェイトを減らすことが出来るのかを簡単に見分ける方法があります。それは、ダイビングの後半に段々と水深を上げていくわけですが、その際にBCからエアを抜いていきます。水深5mで安全停止をして、その後水面まで浮上するのですが水面ぎりぎりでホバリングしてみましょう。BCにエアが残っていれば随時抜いていきます。水面ぎりぎりでホバリング出来るのにBCにまだエアが残っているのであればウェイトが重すぎるという事です。BCから全てのエアを抜いたら水深を維持できずに落ちていく様ではかなりのウェイトオーバーです。水面ぎりぎりでホバリング出来るのに、まだBCにエアが残っている場合、その容量分だけウェイトを減らす事が出来るという事になります。1リッター残っていれば1KG減らせるという事ですね。ここで、少し問題なのはタンクに入っている空気の重量です。10リッタータンクに200気圧入っている初期状態では空気の重量は約2.5KGもあります。残圧が50気圧程であれば約2kGも潜行時から軽くなっているという事になります。なので、厳密なことを言うと、ダイビングの最後で水面ぎりぎりでホバリングする為には、適正ウェイトの状態ではかなりの吐き気味呼吸をしなければならないという事です。この事を考慮に入れるとダイビング最後に水面ぎりぎりでのホバリングはかなり無理な行為でもありあます。なので、水深3mで無理なくホバリングが出来れば水面ぎりぎりでのホバリングは必須ではありません。空気の重量を考えると潜行時はかなり簡単に潜れるはずですね。

次回は、潜行がうまく出来ない理由について書いてみます。

—————————————————————————————————-

横浜・反町・東神奈川・東横線沿線のダイビング・スクール

アクア・ブーチェ ダイビング・スクール

スキューバ・ダイビング、スキンダイビングのライセンス講習

伊豆、三宅島、八丈島、沖縄のダイビング・ツアー

御蔵島でのドルフィンスイム・ツアー

を随時開催しています。

ホームページはこちら!