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ダイビング技術

【ダイビング技術】ロープ潜行は本当は難しい

2015.07.15

ボートダイビングのスタイルには大きく二つあります。ボートを固定する場合と、固定せずにボートもダイバーに合わせて移動するドリフトダイビングです。前者の場合には潜行ロープを使用することが一般的です。特に伊豆でのダイビングの場合、海底から水面へ伸びているロープが設置されていることが多いです。ロープ潜行とはそのロープを利用して潜行する方法の事を言います。それに対してロープを利用しない潜行をフリー潜行と言います。

一般的にはロープ潜行(浮上も)は簡単でフリー潜行は難しいと思われています。中途半端な「上級ダイバー」はロープがあるに関わらずロープを使いたがりません。その理由は、第一にロープ潜行は初心者がするものだと思っている事だと思います。第二番目の理由は、他のダイバーが近くにいて鬱陶しいからです。第三にはビギナーがロープを使いやすいように空けてあげていると言う意識もあるでしょう。

私はそのどれも間違いだと思っています。

潜行と浮上時にロープを利用する理由は何でしょうか?よく誤解されている事は浮力のコントロールが困難なダイバーがそれを補うためにロープを使うという事です。浮力のコントロールを補うためにロープを使ってはいけません。なぜかと言うと、水面に浮いているブイには浮力の限界があるし、それが小さいことが多いからです。そもそも、浮力のコントロールはダイバー自身が行う事です。ロープに頼っていては正確な深度のコントロールが出来ません。他にぶら下がっているダイバーの浮力の状態によって、自分自身の水深も変わってしまいます。

潜行と浮上時にロープを利用するメリットは、潜行、浮上の際のルートが明確になって、バディーやリーダーが監視し易いという事が挙げられます。潜行後に海底でチームが集合する為にも重要です。また、水深による流れの方向と速度の変化があった場合でも、ロープに掴まれば楽に位置を固定できます。最後の緊急時の手段として浮力コントロールの助けにもなります。

ダイビングは無駄な体力を使わないで行動することが非常に大切です。限られた空気を有効に使う事を考えれば無駄な体力など使えません。それに、無駄な動きは様々なトラブルの元になります。心拍数が上がればストレスがたまりパニックへ発展します。第一、優雅ではありません。無駄のない動き、最小限の動きで行動できれば非常に優雅で美しいです。魚やイルカだってそうでしょ?

なので、ロープを利用するという事はビギナーがするものではなく、ロープを有効に優雅に使えてこそベテランダイバーだと言えるでしょう。

安全停止時には水深5m付近にダイバーが固まって大変混雑します。その場合第一に考える事は、安全停止は3m~6mの間で行う事が出来る事を思い出すことです。安全停止は「念のために」行うものですから、決まった水深がある訳ではありません。あえて言えば、仮にダイバーの個人差で体内の状態が減圧を必要としてるとした場合には、水深3mでの停止が最も望ましいはずです。スキルのあるダイバーは3m付近まで浮上して正確に水深を維持しているのが美しい行動だと思います。

ビギナーのためにロープを開ける事も場合によっては必要な事です。が、急激な流れの変化に対しての対処が出来ていますか?直ぐにロープに掴まれる位置でホバリングしていますか?潜行ロープから別のラインを出すのも一つの手です。潜行ロープは一直線にしなくても利用できます。色々な方法を常に考えておくことが大切です。

 

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