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ダイビング技術

【ダイビング技術】スキンダイビングのウェイト量は?物理学編。

2015.06.26

スキンダイビングをする際のウェイトはどの位が良いか?との質問をよくされます。

まず、簡単な物理学から説明に入りましょう。角瓶半分くらい飲みながら書いているので間違っているかもしれません(笑)

スクーバダイビングをしている人が10リッターのスチールタンクで2kgのウェイトで適正ウェイトだとします。この場合の適正ウェイトとはBCから全て排気した状態でも水面に留まれ、息を吐けば潜水できる状態とします。常用出来る肺活量を3リッターとします。

10リッタータンクの水中重量はどの位でしょう?タンクの刻印を見ると重量は12kgと書いてあります。12kgの鉄の塊に10リッターの浮きが付いているのと同じ状態です。鉄の比重は約8なので鉄12kgの水中重量その7/8、10.5kgとなります。つまり差引0.5kgのマイナス浮力です。バルブ重量が0.7kg比重を計算に入れると水中重量は約0.6kg合計約1.1kgの水中重量となります。

充填されている空気の重量はどの位でしょうか?空気は水の1/800の密度なので200気圧の空気は1/4の密度となりますので、10リッター、200気圧の空気の重量は2.5kgです。

満充填されている10リッタースチールタンクの水中重量は3.6kgと言うのが計算値です。

それにレギュレーターが付きますのでスクーバセットの水中重量は4kg程と言うのが妥当な線でしょう。BCは機種によって水中重量はかなり異なります。浮くものもあるし、沈むものもあります。ここでは中性浮力として考えます。

ウェイトを2kg付けていますが、鉛と言えど密度は無限大ではありません。比重は約11ですので、水中重量は約1.8kgです。スクーバセットとの合計は5.8kgです。

潜行時にマイナス1kgの浮力状態になると仮定すると、上記5.8kg-1kg=4.8kgがウェットスーツの浮力です。別の言い方をすれば水圧により体積変化する4.8リッターの空気を持って潜るという事です。

スクーバセットを下し、スキンダイビングをする場合はどうでしょうか?常用可能な肺活量を3リッターとすると、思い切り息を吸っている状態では4.8+3=7.8。約8リッターの水圧により圧縮される空気をもって潜る事になります。ウェットスーツを着てウェイトを付けなければ水面でのプラス浮力は8kgもあります。なので、ウェイトを付けないで素潜るのは大変なんですね。息を吐き切っている状態ではプラス5kg程のプラス浮力しか無いのでウェイトを5kg付けた状態では深呼吸の為に息を吐き切るとちょうど中性浮力となります。5kgよりも重いウェイトを付けていると深呼吸すると沈んでしまうという事です。つまり同条件のダイバーはスキンダイビングの際のウェイトは5kgが限度と言う事です。

スキンダイビングで潜り始める時には目一杯息を吸いますので、5kgのウェイトを着けていてもプラス3kgの浮力の状態で潜水を開始します。水圧により圧縮される空気の量は合計8リッターです。水深5mでは水圧は1.5気圧なので8リッターの空気は約5リッター程になり、3kg程の浮力を失う事になりますので、ちょうど中性浮力です。

スクーバダイビングの時に、本当に息を吐き切って潜行しているダイバーが2kgのウェイトを着けている場合、スキンダイビングの際には5kgのウェイトを着ければ、水深5mで修正浮力の状態となって、水深5mの海底付近に楽に留まれ気持ちの良い潜水が出来るという事です。

ここで挙げた計算例はあくまでも、様々な前提があってのお話なので、実際にはこの通りに行かない場合があります。ウェイトの着け過ぎは危険なので少しずつ増やしていきましょう。

今回は物理学編だったので「こんな話聞きたくも無い」と言う人もいらっしゃると思います。が、ダイビングは物理現象を利用しているので最低限の物理学は必要です。次回は目標水深とウェイト量のお話をします。

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