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ダイビング技術

【ダイビング技術とスキルアップ】サイドマウントについて考えてみる(その5)【横浜のダイビングスクールのブログ】

2017.01.30

【サイドマウントの問題点は】

 

でも、空気は多い方がいいじゃん。ってそのとおりですが、何事にも良い点があれば悪い点があります。タンクがデカければ重たいし、じゃまですよね。

 

某指導団体のウェブサイトのサイドマウントの説明では、1本だけ持って入る方法もあるって書いてありますが、アルミタンクならまだしも、スチールタンクを1本だけ片側に抱えていたらバランスが悪くて困りますね。日本では殆どのダイブサイトでレンタル可能なタンクはスチールです。スチールタンクって満タンだと水中重量は4KG以上になります。

 

それと、前に二つのタンクを平均的に使うと書きましたが、その様な使い方をすると、シングルタンクで50気圧残すような消費量のダイビングでは、1500リッター使用することになるので、2本のタンクそれぞれ残圧が125気圧となります。安全のために切り捨てて考えると120気圧です。

 

では、2ダイブ目はそのタンクを使うのでしょうか?

使わないと勿体ないですね。2ダイブするのにタンクを4本使うのか?

もしくは、残圧120気圧のタンクを2本持って潜るのか?

その様な状況ではもうバックアップ体制が取れないと言う事です。

最初から残圧が120気圧ですから、トラブル時に最深部からの浮上に必要な1200リッターの空気量は確保できません。

 

【2本のタンクを平均的に消費する必要はない】

本格的なテクニカルダイビングの場合は違いますが、通常の無限圧限界内のダイビングでは2本のタンクを平均的に消費する必要はありません。なぜなら、無限圧限界内なのでいつでも直ぐに水面まで浮上できるからです。その深度から水面まで、安全に浮上できるだけの空気量が確保されていれば、それ以上の空気は不要なのです。

なので、メインのタンクを消費していき、バックアップタンクと同一の空気量まで消費した時点で、浮上プロセスに入ればどの時点でも浮上するために十分な空気量を確保していられるという訳です。

 

ただし、空気にも重さがあり、2000リッターの空気(10リッタータンクに200気圧入っている場合)の重量は約2.5KGにもなります。

サイドマウントの片方だけ消費すると左右の重量バランスは崩れてゆきます。ある程度の水深以下ではBCに空気が入っているので、BC内の空気を移動させることによってバランスをとることが可能ですが、安全停止付近の水深ではBCからほぼすべての空気を排出しているので、バランスをコントロールする手段が減じてしまいます。

が、十分なスキルを持って入れた現実にはさほど大きな問題ではありませんが、バランスは良いに越したことはありません。

 

2本のタンクのうち1本だけを使用する方法を取った場合、2ダイブで3本のタンクを使います。レンタルタンクは消費していないって言っても返せないですから。

 

【どんな持ち方がいいの?】

 

ここからは、私の個人的な考えですが、サイドにタンクを付けるとやっぱり邪魔です。背中にあると、当たり前ですが腕の動きに全く制約はありません。それにボートへのエグジット時も、脇に付けているタンクが足の動きに干渉するし、横幅が広くなるので両側に手すりがあるようなラダーだと非常に苦労することになります。

 

某指導団体のウェブサイトではサイドマウントは水平姿勢が取りやすいとありますが、背中にタンクがあっても水平姿勢は取りにくくはありません。

水の抵抗が少なくなるという説もありますが、そこは検証していないので何とも言えませんが、真正面から見たときのシルエットの面積(前面投影面積)の大きさがキーポイントです。

実際のダイビング中の姿勢は、わずかに上体が起きて顔が正面を向いていることが多いので、背中のタンクは上体と頭の影に隠れている場合が多いはずです。

 

【6リッターのバックアップタンクを所有するのが一番】

 

以上の事を考えると、10リッタータンクを背中に背負って、緊急時以外使用しないバックアップタンクは6リッターのアルミタンクとし、左脇にサイドマウントして持って行くのがベストだと私は思っています。

実際に私はディープダイビングの際にはその装備で潜っています。

難点はタンクとレギュレータを購入しなければならないという点ですが、いわゆるサイドマウントで潜ろうとしても、BCとレギュレータ(追加分)は購入が必要です。価格的には似たようなものだと思いますが、運用時にはタンクのレンタル代に違いが出てきます。自分で所有しているタンクをバックアップとすれば余計なタンクレンタル代は掛かりません。

 

色々と長々書いてきましたが、私はサイドマウント自体を否定するものではありません。

ただ、一般的なダイビングでの必要性に疑問があると言う事です。

 

ダイビングというものは、自身で頭を使って安全を確保して楽しむものです。

装備に関しても自分自身でどの様な装備をどの様な使い方をすれば安全にかつ余計な出費をせずに楽しめるのかを考えることは非常に大切な事です。

まあ、レジャーですから装備がカッコいいと言う動機も否定されるものではありませんが、本当の事を知った上での行動をしたいところです。

 

(その4)

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