【横浜のダイビング屋】ダイビングのライセンス講習料金の適正価格って?(その2)
2015.07.18
前回は、講習費が安いパターンが2種類あるって書きました。
一つは、ちゃんとした講習をしないから安いという話です。
今回はこのお話をします。
常々書いていますが、ダイビングのライセンスと呼ばれるものは、公的な資格ではありません。なので、ちょっとインチキしても手に入れてやろうなんて言う発想は無意味です。自分の首を絞めているだけです。なぜなら、ライセンス(Cカード、認定証)は正しい講習を受けて、ダイビングのスキルが身に付いているという証明書なのです。なのに、スキルが伴っていなければ自分自身を危険にさらす事になります。
逆にインストラクター(ダイビングスクール)側から見ると、いい加減な講習でライセンス(Cカード、認定証)を発行しても法律違反になりません。受講生が別のダイビングショップで潜って事故を起こしても講習を行ったインストラクターの責任が問われることもありません。そして、受講生本人が自分のスキルに自信が無ければ、そのスクールから離れようとしません。これらの理由を考えると、高いコストをかけてレベルの高い講習を行う理由が無くなってしまいます。
と、言う訳で手抜き講習を行う事により、安い講習費を実現しているスクールが出てきてしまいます。ビジネス的には薄利多売か、その後の囲い込みのどちらかです。誤解の無い様にしておきますが、私は良い意味での囲い込みは良い事だと思っています。そのインストラクターの誠意が伝わって慕って頂ける事はこの上もない喜びでもあります。
では、どうやって手抜き講習を行うのでしょうか?
まず初めに、講習の内容を確認してみましょう。NAUIの場合には1日の学科講習、1日のプール実習、2日の海洋実習が必要となります。海洋実習は4ダイブと決められており、一日のダイブ数は2ダイブとなっています。ただし、受講生の同意があって体力的に問題が無ければ一日3ダイブが可能と言う規則です。プール実習には時間の決まりはありません。
このルールからはみ出さないで日数を短縮しようとすると、初日にプールと海洋実習の1ダイブ目を行います。学科講習は自習方式にします。これは指導団体からも認められています。ただし、採取的なテストはインストラクターが行います。2日目に海洋実習を3ダイブ行います。こうすれば通常4日間かかる講習期間を2日間に短縮できます。でも、ちょっと考えれば、貴重な水中での体験時間を削ることになるという事は明らかですね。未経験者が重たいタンクを背負って水中にいるという事は、赤ちゃんが初めてよちよち歩きし始めたのと同じ事です。初めての経験なので、バランス感覚がうまく理解できないのです。
バランスが悪ければ気持ちも落ち着きません。気持ちが落ち着かなければその他のスキルも身に付きません。バランスだけでなく、水中と言う未経験の環境に慣れる時間も奪われてしまうのです。
その様なスクールで受講してしまうと、手元にライセンス(Cカード、認定証)があるので、同じレベルの講習を受けなおそうとは思いませんよね。よって、これで自動的に永久ビギナーダイバーが誕生となります。
私はこのような事例を沢山見ています。非常に残念だと思います。もしかしたら、正しい講習を受講できれば良いダイバーになって、素晴らしい体験を沢山できたはずなのに・・・・。
誤解の無い様に最後に言っておきます。良いダイバーになるためには機材は所有していなければ話になりません。なので、私も受講生には勧めます。でもそれは、必要性を説明するのであって、機材を買えと言う話ではありません。必要性を伝えられなければ、その講習はある意味失敗だったのかもしれません。
受講生が必要性を感じて、欲しくなって、そして自分の機材を手に入れて、良いダイバーになって、人生観が変わるほどの素晴らしい体験をしてほしいと思っています。そうなれば「買わされた」「ダイビングは金ばかりかかる」なんて言う愚痴は出ませんよね!
一方で、使えるお金には限界があります。うまくバランスを取りながら、ご自身のダイビングライフを組み立てていって頂きたいと思います。
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