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ダイビング技術

【ダイビング技術】ディープダイビング考。深40mから緊急浮上する為には残圧がいくつあれば大丈夫か?(その1)

2015.07.03

何年か前の「海猿」と言う映画で、水深40m、残圧30。バディーとエアを共有して浮上できるか?みたいなセリフが流行りました。
実際にどの位のエアが必要なのでしょうか?
まずは、理想的な条件で考えます。理想的とは自分の心をコントロール出来る上級ダイバーの場合と言う事です。
上級ダイバーなら運動量が最少の場合にはエアの消費率は10リッター/分位まで抑えらえるでしょう。
水深40mからの浮上には、毎分10mの浮上速度で4分かかります。その時の平均水圧は2.5気圧です。
上記のエア消費率のダイバーの場合、4分間で消費するエアは大気圧下では40リッターです。平均圧力が2.5気圧なので、実際には100リッター必要です。
バディーも同様のエア消費率と考えると二人で200リッターあれば安全に浮上することが出来ます。安全停止を5mで3分間行ったとしても、10リッター×3分×1.5気圧=45リッター。二人で合計290リッターあれば安全に浮上できます。
残圧30気圧とは、10リッタータンクの場合300リッターの空気が入っているという事なので、上記の条件では安全停止してもギリギリ間に合うという計算になります。

しかし、理想的な毎分10mの浮上速度をキープできるでしょうか?かなりの上級者でもフリー浮上でそれを実現することは容易ではありません。現実的には倍の時間がかかると考えるべきでしょう。2倍です。
エアの消費率も、トラブルがあった場合に冷静な心をキープ出来るでしょうか?心の問題以外でも流れがあったり、その他の障害があった場合、毎分10リッターの消費率をキープできるでしょうか?無理ですよね。倍の消費率と考えましょう。2倍です。
それに一般的なダイバーは毎分10リッターの消費率では間に合いません。安静状態で毎分15リッターとする方が現実的です。1.5倍です。
それらを考慮すると、浮上速度で2倍、状況による消費率の上昇として2倍。経験値の違いによる消費率の上昇分として1.5倍。2×2×1.5=6。なんと6倍のエアが必要となります。
誤差を入れて概算でバディーで300リッター、一人でも150リッター。それの6倍とすると。
一人当たり900リッターが水深40mから浮上する為の必要空気量と言う事になります。
体格が良い人や、経験の浅い人の場合にはもっと多くの空気が必要です。安全率3割増しとしても1200リッターが安全な空気量と考えるのが妥当でしょう。

ディープダイビングを行う場合には、1200リッターの残圧を確保した状態で、最大水深に達する必要があるという事です。バディーの事を考えると2400リッター?
でも10リッタータンクに200気圧入っていても2000リッターしかありません。

簡単に要約すると、ビギナーは水深40mに行ってはいけないという事です。

(その2)

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